Case5 風邪症状がある受験生

昨日から熱と咳があります。昨日より熱も咳もひどくなっています。咳に痰は絡んでいません。週末大学受験なので風邪薬が欲しいです。

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☑症状・・昨日から熱と咳(痰絡みなし)
☑使用者・・高校3年生
☑特記事項・・服用薬・持病・目薬・アレルギーなし
☑車の運転・・なし
☑その他・・週末に受験
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選んだ薬

<総合風邪薬>
〇改源

<解熱鎮痛薬>
〇バファリンルナJ(アセトアミノフェン単剤)

<咳止め薬>       
〇麦門冬湯  
〇ベンザブロックトローチ

大半の風邪薬は眠気の副作用あり

今回のケースで何より大切な事が【眠気が出ては困る】と言う事です。

しかしほとんどの風邪薬は咳止め薬と抗ヒスタミン薬を配合しているため眠気が出てしまいます。

特に抗ヒスタミン薬は眠気が強く持続時間も長いため、前日の夜に飲んでも翌日まで薬が残っている可能性は十分に考えられます。

つまり「試験当日に飲まなければOK」と言う話ではありません。

眠くならない風邪薬

では少ないながらも眠気ゼロの風邪薬があるので紹介します。

・パブロン50 ・改源 ・葛根湯 ・桂枝湯

⇒動画(6)「眠くならない風邪薬」参照

この中で注意が必要な薬がパブロン50です。なぜならパブロン50はアセトアミノフェンの量が通常の半分のため発熱がある場合には正直推奨しにくい薬だからです。

※パブロン50の「50」は「アセトアミノフェンが50%」と覚えてください。

個別の症状に対応した眠くならない薬

効き目を重視するならば風邪薬ではなく個別の症状に応じた薬を選ぶ方法もあります。

〇熱に使える薬

☑アセトアミノフェン・・基本年齢制限なし

☑イブプロフェン・・15歳以上から使用可能

⇒動画(4)「熱に効く風邪薬」参照

特に咽頭痛や頭痛がない場合はイブプロフェンよりアセトアミノフェンの方が安全性も高く推奨しやすいです。また種類のバリエーションが豊富のため水なしで飲めるタイプを勧める事もできます。

〇咳に使える薬

☑乾いた咳・・麦門冬湯

☑痰絡みの咳・・ムコダイン去たん錠Proやストナ去たんカプセル

⇒動画(6)「眠くならない風邪薬」参照

痰が絡む時は去痰薬を重視してください。乾いた咳には麦門冬湯が基本的な選択肢となります。

デキストロメトルファンについて

動画でも解説していない大事な補足をします。

それは「眠気が困る咳にデキストロメトルファンは使えるのか」と言う疑問です。

一般的にデキストロメトルファンは眠気が出る副作用があるため車の運転等はNGとされています。ただ明確に禁止されている車の運転はもちろんNGですが、そうでない人には使い時を考えれば選択肢にあってもいいと考えています。理由は以下の2点です。

☑抗ヒスタミン薬と比べると眠気の副作用は弱い

 ⇒最も薬が体内に多くめぐる時間は約2時間
 ⇒服用後2時間経っても眠気が出ない時は眠気が出る可能性は低い

☑翌日まで眠気の影響が出る可能性は低い

 ⇒約6時間後にはほぼ身体の中から薬は消失している

もちろん眠気は完全にゼロではないため本来は推奨すべきではありません。

ただそれでも咳が辛い時の選択肢の1つとして持っておくべきだと考えます。特にトローチタイプはデキストロメトルファンの量も少なく眠気の副作用はより軽度になります。

薬の接客例

風邪薬には眠気を起こしやすい成分が入っているものが多く、人によっては翌日まで眠気が残る場合があります。受験前は集中力に影響する可能性がありますので、基本的には避けた方が安心です。

こちらの 改源 は、眠気を起こしやすい成分を配合していないタイプで、お客様の症状である 熱や咳を和らげる成分 が入っています。ですから試験前にも使いやすいお薬だと思います。

もう1つ、パブロン50 という「解熱鎮痛成分」と「漢方の咳止め」を組み合わせたお薬もありますが、解熱鎮痛成分が通常量より少なめのため、熱がつらい時には十分に実感できない場合があります。
大事な受験ということもあり、当日に熱が出た時のことを考えると、しっかり対応しやすい 改源 のほうが安心かと思います。

また別の選択肢として「熱には熱に効く薬」「咳には咳に効く薬」 と症状ごとに分けて使う方法もあります。

例えばこちらの バファリンルナJ は、アセトアミノフェンという世界的に広く使われている解熱鎮痛成分を配合しており眠気が出にくいタイプです。水なしで飲めるため、試験会場に入ってからでも服用できます。一般的には1時間前後で効き始めることが多いので、試験の時間に合わせて使いやすいと思います。

咳には、漢方の麦門冬湯 というお薬もあります。また、ベンザブロックトローチ は咳を和らげる成分が入っており、水なしで使えて、口の中でゆっくり溶かしながら効いてくるタイプです。
ただし、眠気の可能性が完全にゼロではないため、事前に試していただき、もし眠気が気になる場合は試験本番には使用を避けてください。

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